2001年9月11日の世界貿易センターやペンタゴンに航空機が突っ込んだ起きたアメリカでの同時多発テロ。いわゆる9.11。
このテロはアメの中東政策を大きく変えイラク戦争を引き起こし、やがて台頭するイスラム国の下地を作るのです!つまり現代中東問題を理解するには9.11後のアメリカにとっての中東政策を知っておくのも意義があるんですね~。
なので、9.11がアメリカに与えた影響を見ていこうかと。
9.11以前の対中東政策
9.11前のアメリカの対中東政策は基本自分達は直接手を出さない。これにつきるんですね~。イラン・イラク戦争や湾岸戦争のように、アメリカの石油利権がいよいよ脅かされるぞとならない限りは自分たちが直接殴り込みにいくことが無かったことから、そのことがよく理解できるわけで。(ソ連がアフガニスタンに侵攻し、湾岸諸国の目と鼻の先まで来たというのにアメリカが直接介入することはありませんでした。本当にアメリカが中東地域で直接介入することは珍しいことだったんですね!)
ですが、直接介入をしないかわりに中東での親米国家(例えばイスラエルやサウジアラビア、さらには革命前のシャー政権下のイラン)を利用してアメリカの権益をしっかりと確保していたんですね。(抜かりないですよね~)
はてさて何でアメリカが中東地域に直接介入しなかったの?と疑問に思うかもしれませんが、その理由として二つ挙げられますね。
1つ目はイスラエルの存在が挙げられます。
イスラエルは度重なる中東戦争で軍事的に敗北することは一度もありませんでした。この事実は冷戦期のアメリカにとって、イスラエルがソ連を封じ込めに役に立つとはっきり映るんですね。
そこでアメリカはイスラエルと組むのですが…。
イスラエルはパレスチナ問題を抱えているため(中東戦争の原因でもありますから)、アラブ諸国の市民にかなーり嫌われているわけで。そんなイスラエルと組むわけですからアメリカも白い目で見られるのは当然な成り行きで…。アメリカも馬鹿ではないので、のこのこと出ていけばアラブ社会から余計に嫌われる可能性に気づいているんですね。なので、相当なことが起きない限りは自分たちが出ていくことはしたくなかったのです。
二つ目の理由としては、そもそもアメリカは中東との歴史的関係が弱かったことです。
第二次世界大戦が終了後の数年間までは、中東地域の覇権はイギリスが握っていたため、アメリカが首を突っ込む機会がそうそう無かったんですね。なので建国当初から付き合いのあったサウジアラビアを例外として、アラブ社会とは希薄な関係しかなかったからなんですね~。
というわけで9.11以前のアメリカの対中東政策は、現地社会から反発を受けないようにするため基本的に自分達は表に出ず中東の親米国家を前面に押し出すものでした!
9.11後の対中東政策
さて、9.11がアメリカの対中東政策をどのように変えたかというと、一言でいうならばアメリカが前面に出てくるようになったという点です。
何で前面に出てくるようになったかというと、アメリカ本土が攻撃されたのはアラブ社会からの反発を恐れて直接介入しなかったのにワザワザそれを実行する存在がいることを証明したのが9.11でして。それならば、リスクを負ってでも直接介入して、攻撃をしかけてきそうな輩を倒した方が良いのではという空気が形成されていったからなんですね~。(他にもネオコンやユダヤロビーの存在が政策変更に大きな役割を果たしたと指摘されています)
こうして、アメリカは9.11を引き起こしたアルカイダの首領ビンラディンをかくまっているアフガニスタンや、湾岸戦争を潰しそこなったイラクのフセイン政権に、積極的に喧嘩を売るようになったのですね~。
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