サウジアラビアを含めたエジプトなどのアラブの国々がカタールと6月に断行しましたが、そもそもなぜサウジアラビアといった国々はカタールと断行したのでしょうか?
多くの報道では、カタールがイスラーム過激派と不透明なつながりがあるとの可能性を危険視したサウジアラビアといった国々が断行したといった報道がなされていますが果たしてそれだけでしょうか?
そこで今回はサウジアラビアなどの国がカタールとの断行を実施した原因を探っていこうと思います。
断行の理由としては…
さてまずはサウジアラビアなどがカタールと断行した理由をもう一度おさらいしておきましょう!
その理由としてはサウジアラビアの国営放送によりますと、カタールがムスリム同胞団やISといった過激派組織に資金援助を提供していたりメディアを通して過激派の思想を広めているからだとされています。
過激派に資金を流されたり、そうした思想を広められたらたまったもんじゃない!ということで、こうした行為をやめさせるために断行したというのがサウジアラビアなどの弁というわけですね。
カタールも中東の湾岸諸国の例にもれず天然資源で大儲けしているので過激派に資金を提供しているという疑惑はまだ可能性としては理解できます。
ただ過激派の思想を広めているというのはどういうことでしょうか?
これについてもう少し詳しく説明するとカタールには‘アルジャジーラ’という中東地域では非常にポピュラーな放送局があります。
この放送局は実は過激派の思想を広めているから閉鎖しろとサウジアラビアなどは求めているのですね〜。
ただ、一介の放送局ごときの閉鎖を断行の理由の一つにするとかバカじゃないのと思えるかもしれません。
しかし、このアルジャジーラは先ほども触れたように中東では非常にポピュラーな放送局で中東各国で放送され視聴者もそれなりにいます。(どれくらいポピュラーかというと、すごいありえない例ですがN◯Kが韓国や中国、マレーシアなどのアジア各国で放送されしかも、それぞれの国にそれなりの視聴者がいる感じですね〜。)
つまり視聴者の数が中東でそれなりに多いアルジャジーラは、その報道の影響力も大きいと言えちゃいます。
ですから、本当にアルジャジーラが過激派の主張を流していたらヤバイですので閉鎖しろという主張も突拍子がないというわけでもないのですね〜。
またこうした理由以外にもまたカタールがイランと接近しているという疑惑も断行につながったという見方もあります。
断行の理由は本当にそれだけなのか?
さて、ここまでは簡単にサウジアラビアなどがカタールと断行した理由を見てきました。
ですが、さてはてこれだけが理由と言えるかというとそうでもないのですね〜。
そう考えられる理由としてはまずカタールが過激派に資金援助をしているという疑惑についてですが、そもそもサウジアラビアはイスラーム教の中でも最も保守的なワッハーブ派を国教としているのでサウジアラビア国内からも過激派に資金が流れていてもおかしくはありません。(さらにカタールもワッハーブ派が多かったりするんですね)
なので、仮にカタールから過激派に資金が流れていても断行の理由として弱いちゃ弱いんですよね〜。
つまり資金援助それだけではそこまで問題にはならないかと…。(今回みたいな断行措置といった大きなことにはならなかったかと)
ただ、この資金援助がどこに流れているのかがサウジアラビアやエジプトの安全保障、国内秩序の維持に支障をきたす場合には話は大きく違うということだとこの断行措置から思いますね〜。
どういうことかと言いますと、資金援助の先にムスリム同胞団が疑惑に登ったのがカタールにとっては不幸なことだったかと。
そう考える理由としては、このムスリム同胞団という団体がアラブ各国とりわけその誕生地エジプトで慈善事業に精を出していたからです。
慈善活動をしているなら過激派とかそういったものとは関係ないんじゃないと思われるかもしれませんが、実はムスリム同胞団の活動が各国政府の政権を揺るがしかねなかったのでカタールの資金援助を非難し始めたのですね〜。
ムスリム同胞団の活動が各国政府の政権を揺るがしかねない、これが意味するのはエジプトやサウジアラビアにとっては政権を揺るがしかねないことを意味しているのですね〜。
これを詳しく説明せると、エジプトではムスリム同胞団は貧困層に対して支援活動を行ってきたので国民の一部からは非常に人気がありました。
なので、政府としては自分たちの座を奪い取る可能性があるムスリム同胞団は潰しておきたい組織になったわけですね〜(さらにサダト大統領を暗殺した人物と関係があるとかないとかという話が出てきたので、政府から弾圧されていましたよ〜)
しかし、このムスリム同胞団は生き残り、エジプトにおいて今でも影響力があったりします。ですから政府としては彼らが強化されるようなことは御免なのですね。
またサウジアラビアでも弱者(とりわけ外国人労働者)を積極的に救ったりよりイスラームの教えに忠実だと思われそうなムスリム同胞団は政府から嫌われて当然といったら当然で。
サウジアラビアとしては王室の権威を構成する柱の一つにイスラームの守護者という概念があるので、これを傷つける可能性があるムスリム同胞団は放ってはおけなかったのでしょうね。
とりわけサウジアラビアでは新世代への王位継承をスムーズにするために国内で経済改革や王族内での暗闘などがあり、王国(王政)の安定の邪魔になりそうな可能性は排除したかったからこそ、ムスリム同胞団に支援を行っている可能性があるカタールにそれを止めさせたかったのでしょうね。
またカタールではかつて首長がクーデターで退位させられた過去があるので、サウジとしては王政を怪しくするような行動を取っている信頼できないカタールを一発ぶん殴っておこうという意図があるのかもしれませんね
まとめ
簡単に言ってしまえば、今回のカタールと断行した国々は自分たちの政権が危うくさせる可能性がある行為を取っている、またはサウジアラビアにべったりの国がそれに習って断行したというのが今回の断行の意図だと個人的に考えていたりしちゃいます〜
コメント