5分でわかる!?IS(イスラム国)

パルミア IS

日本人人質を殺害したり、ヨーロッパでテロを起こしたりして世界中を騒がせる武装勢力“イスラム国”(ISとか呼称も色々とありますよね~)。ぶっちゃけ、彼らがどうして歴史の表舞台に出てこれたとか、目的とかがいまいち分からない。

そこで、その理由とかを探っていきますね。

ISは何がしたいの?

彼らが何をしたいのか。一言で説明するとカリフ制国家の復活!(実際、彼らはカリフ制国家の樹立を宣言した。)

つーか、カリフってなんじゃという人もいるはず。(というか、絶対いる!)まずカリフは何なのかを見ていきましょう。

 

イスラム教を開いた預言者ムハンマドの死後、初期のイスラム教徒は自分たちを導いてくれる人がいなくなりこれからどうしようか途方にくれました。そこでムハンマドの教友アブー・バクルという人が預言者の代理人(カリフ)として信徒たちを導くようになりました。カリフという言葉はイスラム教徒の指導者を指すといえますね。オスマン帝国が崩壊するまでカリフはイスラーム世界に存在した。しかし、オスマン帝国崩壊後カリフとして認められた者は現在に至るまで存在しない。

 

で、ここからが本題。カリフ制国家とは何か?

その答えは、カリフをトップに据えた神権国家と言えるでしょう。

ISはどうしてカリフ制国家を樹立させたの?

カリフ制国家はどんなのかは分かった。けど何でカリフ制国家を樹立させようとしている(させた)のとなるはず。(人質を残酷な手法で殺したり、奴隷制を認めたりするような奴らなんだからルナティック独裁国家を敷こうとしてもいいはず)

彼らがカリフ制国家を主張する理由の背景には、再統一された強力なイスラーム世界を望んでいるためです。

現代の中東はオスマン帝国が崩壊した後ヨーロッパによって国境がひかれ、それぞれの国が作られました。ISはヨーロッパの都合でもともとは一つだった自分たちの世界が細切れにされたと認識しており、この現状は正されなくてはいけないと考えています。

さらに、中東地域でリーダー格のサウジアラビアはアメリカから軍事援助などを受ける代わりに、いうことを聞いています。ISにとってはこれも気に入らなかったのです。聖地の守護者を名乗るものが異教徒に媚びへつらうとは何事だと。

ISにとって現在のイスラーム世界はゲロカスみたいな状態だったのです!そこでISは考える。どうしてこんな現状になったのかを、どうすれば強いイスラーム世界を作れるのかを。

イスラーム世界が弱くなったのは信仰の軽視、カリフの不在だと結論付けました。カリフ制度を復活させることで、ヨーロッパによって引かれた国境を否定し統一された強力なイスラーム世界を再現できると考えました。彼らの野望を示すかのようにISの呼称、ISIL(Islamic State in Iraq and Levant)イラクとレバントのイスラム国やISIS(Islamic state  in Iraq and sham)イラクとシャームのイスラム国は既存の国境を無視した形の領土を主張しています。(レバントやシャームはシリアやレバノンを含んでいる地域のことです。)

だから彼らにとってカリフ制国家の樹立は、なされなければいけないことだったのです。

どうしてISは勢力を拡大できたのか?

ISが何をしたいのかは、何となく分かった。

じゃあ、あいつらはどっからやって来たんだ?実際、ニュースとかではポット出てきたようなIS。彼らがどこから来て、ここまで大きな勢力になったのかを見ていきます。

ISはもともと、アル・カイーダのイラク支部として活動していました。ISはイラク戦争後イラクで権力を握ったシーア派に対してテロ活動をしていたため、アル・カイーダの指導部はムスリムの間で対立を煽るようなことはするなと指示をだすのですが、ISはこれを無視しました。結果両者は関係を断つのでした。

ISがイラク国内で暴れているのをイラク戦争後、イラクを管理していたアメリカは、これはマズいと考え、シーア派の政権にスンナ派とも協力するように指示を出します。(フセインはスンナ派だったのでスンナ派を重用していたため、イラク戦争後スンナ派は冷や飯を食わされていたのです)

アメリカの支持もあってイラクは団結する事ができました。こうしてISに効果的に対処できるようになりました。

そのためISは崩壊寸前まで追い詰められました。これでISは終了かと思われたのですが…

ジャスミン革命(アラブの春)が起こったため隣国シリアでも、大規模な民衆蜂起が起きていました。瀕死のISはシリアのアサド政権が統治できなくなった場所にもぐりこみ力を蓄えることができたのでした。

一方でISがいなくなったイラクではシーア派政権が、協力していたスンナ派の勢力をないがしろにするようになりました。スンナ派はこの様な仕打ちは許せん!となるんですね~

さてはて、シリアで力を回復したISは対立の火種があるイラクに戻ってきます。

ISはイラク国内でシーア派政権に対して不満をもったスンナ派(とりわけフセイン政権下の高官や将校)と連携する事ができたからここまで勢力を拡大することができたのです。

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