3分でわかる!?イスラエルとトルコの関係がこじれた理由

エルサレム トルコ

6月27日にトルコとイスラエルの関係が修復されたと報道されました。

中東地域では非アラブ国家にして、地域大国でもあるトルコとイスラエル。

かつては非常に親密であった両国間の関係が、大使が不在になる程に悪化していたのでしょうか?また、今回なぜ関係が改善したのかを考えていきますね~。

そもそも、何でトルコとイスラエルの関係がこじれたのか?

トルコとイスラエルの関係が悪化した原因は何なのかというと…

2010年にIHHというトルコ系国際NGOが所有する船をイスラエル軍が攻撃し、トルコ人9名が死亡しためです。この事件トルコ政府は激怒。

こうして、両国間の関係はとどめを刺された形になったわけなんですね。

 

しかし、この事件が起きる前から両国の間には暗雲が立ち込んでいたのです!(なっ、なんだってー)

というのも、前年の2009年にトルコのエルドアン首相(現在は大統領)が世界経済フォーラムである発言をしたのです。内容は“イスラエルはガザの子供たちを殺している”といったもので、しかもイスラエルの大統領が同席しているなかでの発言ですからもともと関係が悪化していたと言えるでしょう。

 なぜ、イスラエルはNGOの船を攻撃したのか?

トルコとイスラエルの関係を破壊した、イスラエルによるNGO船舶の攻撃。そもそもイスラエルは何故攻撃をしたのでしょうか?(たぶん、ここを知りたい人が多くいると思うので)

NGOの船はどこに向かい、何をなそうとしていたのか、初めにこれを説明していこうかと。(これの説明がないと後の内容が続けにくいので)

この船が向かっていたのはパレスチナ自治区のガザ、目的はパレスチナ人に物資を届けること

 

2007年以降イスラエル政府はガザ地区の人や物資の流入を厳しく制限していました。その厳しさは「天井のない監獄」と評される程に徹底されていました。

以上のように出入りが制限されたガザ地区では極度の貧困状態に陥っており、それを救うために彼らは支援物資を持ってガザ地区を目指したのでした。

人道的支援を行おうとしていた船を攻撃するなんてイスラエルはけしからんと思うかもしれませんが、イスラエル側にもそれ相応の理由があったのです。

その理由は、ガザ地区封鎖に手をださせないためだと考えられます。

ガザ地区は過激派組織とされるハマスに支配されており、またハマスはガザからイスラエル国内に攻撃を仕掛けていました。

イスラエルとしては国内への攻撃をなんとかしたい。そこでガザ地区を封鎖しハマスに兵糧攻めで対抗していました。

 

そんな中、ガザ地区に向けて国外から船が向かってきたことはイスラエルにとってはよろしくないことで。兵糧攻めの邪魔をされたくないし、もしかしたら新しいテロリストがガザ地区に乗り込もうとしているのではないかという疑念があったから攻撃したのでしょう。(実際どうなのかは闇の中ですが…)

 

関係修復の原因はなに?

トルコの支援船が攻撃された2010年から2016年までの6年間、両者の仲は冷え切っていました。

どーして今年になって関係が修復したのでしょうか?

 

トルコは大まかに3つ理由がありそうです。

1つはエネルギー確保のため。今まではロシアからエネルギーを調達していたのですが去年ロシア機を撃ち落としたため、エネルギー調達が不透明になっており、大規模な油田を持つイスラエルとの和解が求められたのでしょう。

 

2つ目はトルコの孤立。2010年イスラエルと喧嘩別れをして以来トルコは、2011年からの内戦の対応を巡りシリアと対立(それ以前はシリアのアサド大統領とエルドアンは家族ぐるみの付き合いがあるほど仲は良かった)。同年にはクーデターによって新政権を樹立したエジプトを批判したことでエジプトとも関係が悪化、2013年にはトルコ大使がエジプトから追放されるまでになっていまし。そしてロシアとも関係が悪化。多くの周辺国と対立したままでは危ないと考えたことも原因の一つと言えるでしょう。

 

最後の理由として経済悪化も挙げられるかもしれません。トルコは観光大国でしたが、ISのテロにより観光客が激減。そこでイスラエルと関係を改善することで経済交流を活性化させたいと願ってもおかしくはないからです。

一方でイスラエルもトルコと安定した関係を維持することは、欧米によるイランの経済制裁解除後の安全保障の観点から必要なことだったから和解に舵を切ったと考えられます。

今回の和解は、両国の利害が一致したから可能になったと言えそうです。

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