フリージャーナリストの安田純平氏を拘束しているとして、ニュースとかに出てくるようになったヌスラ戦線。
まーた何か新しい過激派組織が出てきたよと思う人も多いはず、けれどこの組織も案外根が深い(?)。
そこでどんな組織なのかを見ていこうと思います。
ISと関係がある!?
ヌスラ戦線は急に出てきた感じですが(自分が勝手にそう思ってるだけかも…)実はそうじゃないんです。だってISと非常に重要な深い関係にあったのですから!(なっ、なんだってー)
指導者はシリア人のゴラーニーという人物。この人物はもともとISに所属していました。アラブの春でシリアにおいて反政府運動が大きくなると、このゴラーニーはシリアに舞い戻りアサド政権に対して武装闘争を開始しました。その際、ゴラーニーが立ち上げたのが今世間を騒がせている(?)ヌスラ戦線だったのです。
ヌスラ戦線の指導者がISに所属していたからといって、そんなにISとつながりが強いのかっていう疑問が出てきますよね?何で強いつながりがあったのかというと、このゴラーニーはISのリーダーであるバクダディと非常に近い関係にあったとか。そういうわけで、ヌスラ戦線はISのシリア支部とみなされるほど仲が良かったわけです。
ゴラーニーのヌスラ戦線は結成後シリアで最も強力な反政府武装組織に成り上がりました。
ゴラーニーとしてはそのままの勢いでアサド政権を倒したかったのでしょうが、古巣のISがイラクでの覇権を握るために色々と注文をつけてくるわけです。そんなわけで、ゴラーニーはうるさいISに対して不満を持つようになり…。
実際のISとの関係は…
ISに対して不満を持つようになったゴラーニー。
そして2013年の4月にISが一方的にヌスラ戦線を自分たちの組織に組み込むと表明します。これでゴラーニーの不満が爆発。もうやってられねーよっ、て感じにゴラーニーはISの吸収合併の宣言の翌日にそれを否定し、あてつけのようにアルカイダの指導者ザワーヒリーに忠誠を誓いましたとさ。
こんなわけで、ヌスラ戦線とISの仲はかつての蜜月は嘘のように冷え切ってしまってるんですね~。
しかし、関係がこじれたからといって交流が断絶したわけではないのです。ヌスラ戦線はISを母体にしてるわけでISに対してシンパシーを持っている人間が考えられます。目に見えない形で交流は続いているのでしょう。こういったことから安田氏がISに引き渡される可能性は十二分にあり得るといえます。
目的はアサド政権の打倒
最後にヌスラ戦線の目的は何なのかを、かいつまんで見ていこうと思います。
さきにも書いたようにヌスラ戦線の最大の目的はアサド政権の打倒。
なぜアサド政権を倒したいかというと、シリアの国民の大多数がイスラム教のスンナ派を信仰しているのですが、政府の高級ポストを占めているのがシーア派です。そのこともありシーア派がシリア国内で優遇されており、それに不満をもった人間(反政府組織、ヌスラ戦線など)が政権を潰すために武装闘争をしているんですね。
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