3分でわかる!?トルコのEU加盟問題

      2017/01/26

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今何かと話題になっている、EU。(英国の国民投票の離脱という結果が、自分の就活に響かないかが心配…)

そんなEUにトルコは2005年から加入の交渉をしてきました。トルコはEU加盟を2005年に急に始めたのではなく、実はEUの前身であるEEC(欧州経済共同体)が存在した1963年からヨーロッパとの一体化を望んできたのでした!ですが、トルコのEU加盟は2016年現在になっても叶っていません。トルコは50年近くも加盟をじらされてきたわけです。

そこでヨーロッパの統合をモットーとするEUにどうしてトルコが加盟を望んでいるのか、なぜトルコのEU加盟が実現していないのかを考えていこうかと。

トルコがEU加盟を望むわけ

トルコがEU加盟を望む理由は3つ考えられます。

1つはイスラム主義者と呼ばれる、イスラム教を国家の規範にしようと願っている人たちを押さえつけるため。

今のトルコ共和国はムスタファ・ケマルがオスマン帝国を廃して成立しました。その過程でヨーロッパに追いつくためにはイスラムは不要として切り捨てられてしまいました。トルコ共和国はイスラムと無関係であればこそ繁栄できるという理念が建国の際あったのです。

その理念を信じ、貫こうとしている人たちは、EUに加盟することでトルコにいるイスラム主義者をだまらせる事ができると考えているので、加盟を望んでいるのです。(しかし、現在のトルコはイスラム教を大切にしているAKP(公正発展党)に所属しているエルドアン大統領が国家を運営しているため、トルコ政府はこの理由でEU参加望んでいるわけではないと考えられますね)ある意味国内での政治闘争のためEUに加盟したがっているグループがあるのです。

2つめの理由としては、トルコの歴史に求められるでしょう。第一次世界大戦前まではオスマン帝国(トルコ共和国の前の政体)はヨーロッパの病人と呼ばれていたことからも分かるように、トルコはヨーロッパの一員に数えられていたのです。

また、今のギリシャがる東欧の大部分はオスマン帝国の支配下にあったのでヨーロッパの一員であると昔から考える人が多いのです。

だからEUに入れろと主張するのです。

3つ目にして、最大の理由はやはりEUに加盟することは経済的に美味しいからです。EUに加盟できればトルコ人はシェンゲン協定によってEU圏内に自由に行き来ができ、また就労も容易になります。逆にヨーロッパからもパスポートなしで人がトルコに入国できるで観光客の増加も見込めるので、もっと多くの観光客が来てお金を落としてくれる可能性が増えます。

政府間関係で見れば、EUからトルコへの経済支援や外貨獲得の機会が増加するのでEU加盟は魅力的なものと言えるでしょう。

 トルコがEUに加盟できていないわけ

 トルコがEUに加盟したい理由を見てきましたが、次は逆になぜ交渉がこんなにも長引いているのかをかいつまんで見ていこうかと。

 トルコがEUに加盟したい理由が様々あったように、できない理由も様々あります。

理由の1つは、トルコの人口の多さ。EUの欧州議会の議席は加盟国の人口に合わせて配分されます、トルコの人口は7000万近くであり、もしEUに加盟できたならばトルコは欧州議会でイニシアチブを握ることできるのですね。それを恐れてトルコの加盟が嫌がられているのですね。(EUで最大の人口を抱えるのはドイツの8000万、主要国の英仏は6000万ということを考えると、トルコが持つであろう影響の大きさがわかるはず)

2つめの理由はキプロス問題。

キプロス島は1960年に英国から独立したのだが、ギリシャ系住民とトルコ系の住民の間で対立があり1964年には国連から平和維持軍が派遣されるほど仲がこじれてしまい、最終的にはギリシャ系の南部とトルコ系の北部に分裂する事態に…。

北キプロスはトルコのみが承認している一方で、ギリシャ系のキプロス(以下キプロス)は広く国際的にも承認されているんですね。2004年にキプロスがEUに加盟、このことがトルコの加盟を難しくしていて…。EUに加盟するには、EUの全加盟国から承認を得る必要があり、もちろんキプロスからも承認されなくてはいけないんですね。そうなるとトルコがキプロスから承認されるんかい?という話になるわけで。

キプロスとしては分裂の要因となってるトルコのEU加盟を認めることは十中八九ないでしょう。キプロス問題はトルコのEU加盟に大きな影を落としているんですね~。

3つ目の理由は、アルメニア人虐殺事件。

アルメニア人虐殺事件とはオスマン帝国が末期に起こした事件と言われていて、人権を重視するEUにとってこれは許されない。EUはこれに対して謝罪するよう求めているのですが、トルコはこんな事件は存在しないというスタンスなので難しい問題となっています。(フランスとかにアルメニア人の子孫たちがおり、彼らが謝罪を求めていることもトルコの加盟を難しくしてるのでしょうね…)

 

そして、何よりもトルコがキリスト教国家でないことです。

EUやヨーロッパの政治家の人は基本的には口に出しませんが、ムスリムが多数を占めるトルコがEUに加盟するのは止めてほしいと思っている節があるからです。最近の市民レベルで見るとヨーロッパではイスラムフォビアが強くなっている現状がありますし…。

トルコのEU加盟はありうるのか

トルコのEU加盟は実現するのでしょうか?

自分としては難しいと思います。

上記で述べた様な反対理由をトルコが解決することが難しいですし…。

それだけでなく、仮にトルコがEUに加盟を認められた場合、シェンゲン協定(国境審査なしで国境を超えることが可能とする条約)が適用されるはずです。そうなれば現在トルコに多数いるシリア難民が容易に移動できるようになった欧州を目指すでしょう。いまの難民流入の事態に手を焼いているヨーロッパにとってこれ以上やって来る難民をあまり増やしたくないでしょうから、現在の状況下ではトルコのEU加盟は難しいと言えそうです。

 

また、昨年起きたクーデターの関係者を処刑をトルコ政府は考えているとか、いないとか…。そうなりますとEUは死刑反対、廃止を求める立場ですので、仮に死刑を執行してしまえば両者の関係は余計こじれそうです。

なので、このままの状況だとトルコの加盟は難しいものがあるのではと思えますね〜。

 - トルコ, 中東