アメリカの知られざる最強勢力、ユダヤロビー

パレスチナ問題

今回、アメリカのトランプ大統領がエルサレムの首都として認めたことで世界は大きく震撼していることは様々なメディアで取り上げられています。

報道の中でトランプ大統領が今回このような危険な決定を行った裏にユダヤロビーがあるとも言われていたりします。

そこで今回はこのユダヤロビーとはどんなものかを簡単にまとめていこうと思います。

アメリカのロビー活動は恐ろしい…

まず、そもそもユダヤロビーのロビーとはなんなのでしょうか。

ロビー活動とは一言で説明するなら政治を動かす運動と言えるでしょう、。

何か制度や政策を変えたい、変えようとするとき一般国民、市民は普通どのような行動を取るでしょうか。

日本では何か政治的デモや主張を行う際には、議員に何か働きかけるよりも行政機関の省庁に抗議活動や意見書の提出することがほとんどです。

しかし、アメリカでは行政機関ではなく立法府の議員に対して政治的な働きかけを行うのがスタンダードです。

そしてアメリカではこのロビー活動を通して、国民や企業が自分が望むような政治を行うように圧力をかけてきた歴史があります。

アメリカのロビイストと呼ばれるロビー活動を行う人物は豊富な資金や投票組織を持っており、自分たちが望む政策を実行する議員や候補者にその資源を投入し選挙に勝利させてきました。

ですから議員は選挙に勝利するためロビイストの意に沿うような政策や律法を行うのですね〜。

このことからアメリカではロビー活動が政治を動かしている、少なくとも政治を動かすファクターの一つになっているといえますね。

(ある意味で議員はロビイストのいいなりになっているように見えますが、しかし議員は国民や市民の意見を政治にしっかりと反映させていると評価することもできますね。

逆に日本は族議員のような存在がいるからこそ、行政庁に対しての活動が重視されているのではないでしょうか〜)

アメリカで議員が議員でいるためには、このロビイストとうまい関係を築く必要があるのですね。
ですからロビー活動はある意味で恐ろしいものともいえますね。
(前回の大統領選挙でトランプ氏が勝利した要因の一つに、彼がロビイストの影響を受けないと思われたことが挙げられています。

それはトランプ大統領が大富豪なので、ロビイストから資金援助を受けなくとも選挙戦を戦えるので国民(特に低賃金労働者)の意見をしっかりと聞いてくれると思われたからですね。

逆にヒラリー・クリントン氏はウォール街の大銀行や富裕層お抱えのロビイストから資金援助を受けているということで失点してしまったのですね〜)

最強のユダヤロビー


さて、アメリカの政治においてロビー活動やロビイストを無視できないということを見てきました。
そしてこうしたロビー活動や団体で最強と名高いのがユダヤロビーと言われるロビー活動なのですね。

ユダヤロビーとは

さて、そもそもですがユダヤロビーとはどんな存在なのでしょうか。

ユダヤロビーという名前だけ聞くとユダヤ人だけが参加しているような団体のような気がしますね。
その考えはある意味であっていますが、間違ってもいます。

ユダヤロビーはもちろんユダヤ人が参加し運営している団体もありますが、クリスチャンが運営している団体もユダヤロビーと呼ばれることがあります。

クリスチャンが運営する組織がユダヤロビーと言われるとなんだか違和感や疑問を感じますよね。

そうした団体がユダヤロビーと呼ばれる理由としては、アメリカ政府に対して親イスラエル的な政策をとるように働きかけたりしているからです。

なのでユダヤ教徒以外の組織でも、イスラエルを継続的に強く支持する組織はユダヤロビーと呼ばれることがあるのです。

つまりユダヤロビーとはイスラエルに対して支援、協力を求めていく組織がユダヤロビーということができますね。

ユダヤロビーの燦々たる成果

ユダヤロビーが最強と言いますが、実際どのような結果を出してきたかということを知らなければピンとくるものもピンときません。

そこでユダヤロビーが実現させてきた成果を見ていこうと思います。

特別な資金援助


まずユダヤロビーはイスラエルの安全を保障するために、アメリカに対してイスラエルに資金援助を行うことを働きかけてきました。

その結果としてアメリカはイスラエル政府に対して巨額の資金援助を行ってきました。

その額は累計で1000億ドル以上とされています、そしてこの金額はアメリカが援助しているどの国よりも破格なものとなっていると言われていたりします…。

またその資金援助のほとんどはグラント方式つまり返済不要という形で行われているのです!
(ちなみに日本が他国に資金援助をする際には貸与方式が取られています。なので援助を受けた国は日本に返済を行わなくてはいけません)

ですからイスラエルはアメリカからとんでもない額の資金援助を受けているということがよくわかりますね〜。

そしてこの資金援助にユダヤロビーが一枚噛んでいるとしたら、彼らの影響力の大きさがひしひしと感じられますね。

破格な軍事援助


軍事援助も見逃すことができません。

この軍事援助は多岐にわたっており、例えばイスラエルに対して兵器購入ようの資金を提供したり新兵器開発のためにアメリカの技術提供を行っていたりします。

国防の要である軍事技術を提供するにしても、議会の承認が無ければアメリカでは可能ではありません。

そして実際には技術提供が行われており、これは議会が承認したことを明示しています。

議員に対するロビー活動の強さが、この事例からよく分かります。

核兵器の保有すら暗黙…

またイスラエルの核兵器の保有は暗黙の秘密になっています。

そして、アメリカ国内にある多くのユダヤロビーはイスラエルの安全保障には核兵器が必要ということで合意が取られています。

さてアメリカのオバマ大統領は核なき世界を目指したことで、ノーベル平和賞を受賞しました。

しかし、彼はイスラエルの核兵器についてはほぼノータッチでした。

核なき世界を目指していたのに、イスラエルの核兵器については何も言えなかった。

このことは国際的なパワーバランスなども考慮されてのことでしょうが、国内のユダヤロビーの反感を恐れていたからできなかったと考えることができるのではないでしょうか。

ユダヤロビーが存在しないまたは弱小だったらオ、バマ大統領は自身の理想のためにイスラエルに対して核兵器についての注文ができたかもしれません。

しかしユダヤロビーはイスラエルの安全保障を最重要視しているので、それを破壊しようとする核兵器の処分をオバマ大統領が求めたらきっと彼らは大反対運動を起こしたでしょう。
(そして、それは政権にとってなるべく致命的なダメージを与える形で行われたことでしょう)

なので大統領ですら動きを恐れるほどユダヤロビーの影響力は強いといえるのではないのでしょうかね。

ユダヤロビーの強さの源泉

さてユダヤロビーがアメリカの政治世界の中で最強クラスの影響力を保持しているということを最初の方で紹介しました。

しかし、なぜユダヤロビーがアメリカで強力な影響力を発揮しているのでしょうか。

その理由を詳しく見ていこうと思います。

豊富な資源


ユダヤロビーが強力な影響力を発揮できているのは、まずその資源の豊富さです。

ここでいう資源とは人的資源そして金銭的資源ですね。

ユダヤ人はアメリカでも経済的に大成功を収めています。

ですから親イスラエル的態度を取っているお金持ちのユダヤ系アメリカ人がユダヤロビーに対して寄付を行うことは珍しくもありません。

こうした寄付のためユダヤロビーは金銭的に非常に恵まれることになります。

そして、この(有り余る?)金銭的資源を使ってロビー活動を展開していくことになるのですね。

やはりお金あれば、議員にそれを握らせてイスラエルに有利な法案や政策を可決するように働き変えることができますよね。

また人的資源も非常に類い稀なるものとなっています。

イスラエルにとって利する政策を連邦政府に実行させるために、ユダヤロビーでは人海戦術で大量の手紙やFAXをそして現在ではE-メールを議員に送りつけています。

大量のメールなどがひっきりなしに送られてくれば、議員は自分の仕事に手をつけることはできませんよね。

そうなるとさっさとイスラエル支援の声明を出して、こうした洪水のようなメール作戦を止めることを考えます。

こうした大量のメールを送ることを可能にする人的資源がユダヤロビーの影響力を担保しているということができますね

落選キャンペーン


ユダヤロビーの影響力を最大限のものにしているのは、この落選キャンペーンかもしれません。

落選キャンペーンとは読んで字のごとく、ユダヤロビーが反イスラエル的と判断した議員を落選させるために様々なキャンペーンを張ることです。

「猿は木から落ちても猿だが、議員は落選すればただの人」という至言があるように議員にとって一番困ることは落選することです。

その議員の弱点を上手くついたのが、この落選キャンペーンなのですね。

反イスラエル的と判断された議員は、差別主義者だということで徹底的に批判されることになります。

こうなってしまうと先ほど見たような批判のメールが大量に来るだけでなく、メディアからも人種差別主義者としてのスティグマが押し付けられることになります。

そして、その議員は人種差別主義者というイメージが付きまとうようになってしまいます。

そうなると再選は絶望的になってしまうのですね…。

ですから議員もなるべく反イスラエル主義を持っているとユダヤロビーに思われないように注意を払うようになるのですね。

こうなると、イスラエルを支持する政策は簡単に議会を通過するようになります。

これが、ユダヤロビーの影響力を大きくしているといえるでしょう。

宗教的な義務感


ユダヤロビーの中にはキリスト教徒(クリスチャン)がいると最初の方で説明しました。

しかし、彼らはアメリカとは関係ないどころか逆にパレスチナ問題などで厄介ごとを持ってくることになるイスラエルを支持すべきだという態度をとるのでしょうか?

親イスラエル的な態度をとるキリスト教徒の多くは福音派と呼ばれる信仰を持っています。

実は、この信仰が親イスラエル的な態度を作り出しているのですね〜。

まずは福音派の信仰の考え方を簡単に説明していきますね〜。

現在はキリストが支配する至福の千年王国が実現する前の状態とされています。

そして千年王国が実現するにあたってキリストが地上に再臨すると考えられているわけですね。

そしてキリストが再臨が近づいている証として、ユダヤ人が祖国に帰還するという表現が聖書の中にあるのです。

福音主義者は千年王国の実現を今か今かと待ちわびることだけには我慢ができないのか、キリストの再臨を早めようと自分たちの手でユダヤ人の帰還を早めようとしているのですね。

だからこそ福音派のクリスチャンは時には過剰なまでイスラエル支援のロビー活動を行ってきているのですね。

そして、この福音派クリスチャンはトランプ大統領を支持していると言われています。

ですから、票固めの為にエルサレムの首都承認が行われたと考えることもできますね。

ともかく、ユダヤロビーの中には様々な考えがありながらも以上の理由から強力な政治力を発揮してきたのですね。

しかし、最強と呼ばれるユダヤロビーですが最近では米国内のユダヤ人同士でも意見の相違が出始めているらしくその影響力は低下しているとも言われています。

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