3分でわかる!?ヒズメト運動

      2016/07/18

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世間を騒がせた16日のトルコ軍によるクーデターは完全に失敗したようです。(クーデターは失敗しましたが、また円買いが進んだとかどうとか…海外旅行を考えている人は今ドルを買うのもありですね。自分買っちゃいましたし(笑))

 

クーデターを鎮圧したエルドアン大統領は、この事件の後ろにはイスラーム指導者ギュレン師のヒズメト運動が関与していると声を荒げました。

さて、ヒズメト運動とはなんじゃと思う人もいるはず。

そこで、ギュレン師とヒズメト運動はどんなものかを見ていこうかと。

 ギュレン師とヒズメト運動

今回のクーデターの黒幕だとエルドアン大統領が主張する、ヒズメト運動の創始者ギュレン師。彼はどんな人かというと…。

彼はもともとトルコで、イスラーム指導者(トルコでは国家が宗教の管理を可能とするため、宗教指導者は公務員なんですね)をしていました。その中でギュレン師はイスラーム教徒(ムスリム)たちにモラルを大事にしましょうと説き始めました(例えば、困っている人が助けてあげましょうねというかんじですね)。

 

ここで重要なのが他のイスラーム指導者やその支持者は国是の政教分離を軽視し、逆に国家に宗教を持ち込もうとしました、一方ギュレン師はそのようなことは一切主張も実行もせず(逆にするべきでないと考えている節が見えるほど)、ただただ善行をつみましょうねといった精神的な話や、弱者救済を勧める話しかしない点です。こんなギュメイ師ですが、1997年に軍が政権を倒した際身の危険を感じたのか、アメリカに渡りました。(結果、今でもアメリカに居を構えています。)

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ヒズメト運動は教育支援を行っている。

さて、ヒズメト運動はどんなものか?クーデターに関係があるらしいから、政治活動でもしているのではと思うかもしれませんが、実はしていないのです。ヒズメト運動はギュメイ師の思想を背景にもつため政治的な活動は一切しません。することは社会奉仕活動、それだけです。例えば、清掃活動や貧しい家庭の子供に学習支援などです。

トルコ国外で災害が起きた場合には、ムスリムかどうかといったことに構わず援助したりしています。東日本大震災の際は救援活動にも参加したりしています。(ほ~んと人助けが第一って感じですね、好意を持てます!まぁ市民がヒズメト運動を好意的に見ることは政権にとってどう映るのでしょうね…)

エルドアン政権とヒズメト運動の愛憎渦巻く関係

エルドアン大統領率いる公正発展党はイスラーム主義(イスラーム教を大事にしましょうねっていう考え)を掲げていたためか、政権とヒズメト運動(自分達は政治の表舞台にでる気はないけど、イスラーム教を大切にしたい気持ちは同じだね。だから援助するよっていうスタンス)と初期は良い関係を結んでいました。

ですが、この良好な関係は悪化しちゃうんですね。何で悪化したかというとエルドアン政権の腐敗が目立つようになったからです。初期は軍の圧力を削ぐため汚職は目に見えなかったのですが、政権が軍を抑えつける事に成功してから気が緩むようになったのでしょう。政治の腐敗が進行しました。そこで、モラルを重視するヒズメト運動は腐敗が進む政権に対して批判を口にするようになりました。

 

そこで政権は、口うるさいヒズメト運動に対してその口を閉ざすためにヒズメト運動が運営する学習塾の廃止に追い込むための政策を立てました。(ヒズメト運動の収入元の一つが、塾の経営だったからなんですね。政権はある意味ヒズメト運動に対して、兵糧攻めを行おうとしたんですね。)

ヒズメト運動もこの兵糧攻めに黙ってやられるわけではなく…。司法に影響力があったらしく閣僚の汚職いっせいに摘発させたのでした。その中にはエルドアン大統領の親族も含まれていたため、政権にとっては大ダメージになりました。

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こうして、初期は関係が良かったヒズメト運動と政権の仲は殺すか殺されるかの関係になってしまったのですね。

エルドアン大統領がヒズメト運動を黒幕にしたいワケ

さて、エルドアン大統領がヒズメト運動をクーデターの黒幕にしたいのは関係が悪化しているからだけでなく、他にも理由があると思われます。

 

その理由は、エルドアンが権力の維持に苦労するようになってきたからです。

政権をとった頃は経済の成長は著しく、緩やかでありましたが(何とか軍を抑えつけて)イスラームの開放も行えていました。世俗主義者は経済発展のためエルドアン政権を不承不承ながらも認め、また敬虔なムスリムはイスラームを公的空間に少しだけだが認められたためエルドアンを支持していました。

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ですが、最近のトルコはISのテロもあってか主要産業の観光が伸び悩み、経済が落ち込むようになりました。そのため、経済的利益があったからこそエルドアン政権を認めていた世俗派は態度を硬化するようになり、かつムスリムもエルドアンが汚職まみれということが明らかになるにつれ距離を置くようになりました。

そんな中で、エルドアンは権力を維持するために強権的な政治を進めたため、余計に国民からそっぽをむかれるようになりました。

 

一方、ヒズメト運動は様々な社会奉仕活動を行っていたために一部とはいえ国民から支持されています。おそらく権力基盤が揺らいでいるエルドアンにとって、ヒズメト運動はやがて自分の権力を奪う存在に映っても不思議ではないでしょうね。

だからこそ、エルドアンはヒズメト運動を叩き潰すために今回のクーデターの(真実であろうとなかろうが)黒幕としたいのでしょう。

今回のクーデターにいてです、よかったら見ていってね!

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